春が近づいているとはいえ、今年の冬は厳しい寒さが近づいている。こんなとき、体を芯から温めてくれるホットな飲み物がありがたい。料理研究家の中城裕美さんに、昔ながらの卵酒やショウガ湯など、飲み物4種類の作り方を教えてもらった。
卵酒
風邪をひいたかな、という時に飲む人も多いのでは。作り方によっては、卵がダマになって固まってしまい、口当たりが悪くなる。中城さんは「最初に卵と砂糖をすり合わせておくのがコツ」と話す。
そこへ、つなぎの役割をする牛乳を加え混ぜ、酒を入れてから加熱する。こうすれば、ミルクセーキのような卵酒ができあがる。
(湯のみ2杯分)
【材料】卵黄1個、砂糖35g、牛乳20cc、日本酒100cc
甘酒
酒かすを使うと、手軽にできる。材料を量ったら、鍋にどんどん入れていく。「乾き気味の酒かすでしたら、しばらく置いて水分になじませるといいでしょう」
火にかけて温めると、自然に酒かすがゆるむ上、泡立て器でかき混ぜるので、滑らかに仕上がる。
(湯のみ4杯分)
【材料】酒かす(板かす)100g、日本酒、水各150cc、砂糖30g、ショウガ汁小さじ半分
ショウガ湯
火にかける時、かたくり粉が下にしずむとこげてしまうので、よくかき混ぜて。
火から下ろし、最後にショウガ汁を加えるのがポイント。最初から入れるとえぐみが出てしまう。
(湯のみ2杯分)
【材料】おろしショウガ汁こさじ1、レモン汁小さじ半分、砂糖大さじ1、5、水150cc、ハチミツ小さじ2、かたくり粉小さじ1
リンゴのくず湯
熱してとろみがついた湯の中に、リンゴをすり入れる。皮ごとなので、湯がピンクに染まり、目にも楽しい。「きれいな色も、元気のもとになるでしょう」。皮が気になる人はむいてからすり下ろす。
(湯のみ3杯分)
【材料】リンゴ中半個、くず粉10g、水200cc、砂糖大さじ2、ハチミツ小さじ1
4種類とも材料の量はあくまで目安。好みに合わせて酒や砂糖などの分量を増減させて構わない。
中城さんは「最近は、家庭でこうした飲み物を作る機会が減りましたが、飲めば確かに体が温まる。昔の人の知恵をひしひしと感じます。」と話している。